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zoom RSS 星岡窯(ほしがおかがま)を築いて爛熟期に向かう…魯山人

<<   作成日時 : 2016/10/16 18:32   >>

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一木一草をも崇め寄り添い、美しいものに支えられている魯山人の姿を見て来た私には、残された作品に潜んでいる生命感あふれる創造力が、人を気持ちよく引き寄せて行くのではないかと思える。

篆刻や書道の名手と謳われ、美食倶楽部を設立するほどの料理道の達人といわれるようになった大正時代末、止めどなく湧きでる芸術性を創出するために鎌倉山崎に「魯山人窯芸研究所」を立ち上げた。
まさに星岡茶寮の開店や終の住いとなる慶雲閣を移築するなど忙しいさなかであった。
移築した頃の慶雲閣画像

魯山人没して57年‥‥、関心度も年々高まりをみせ、没後も各地で魯山人展が開催されている。
その図録などに記載されている年譜を補足すれば、昭和時代だけで個展の数は八十回超えていた。
この激動の昭和時代、陶芸家の個展などはマスコミには無視されがちだったが、魯山人の個展情報は多くの新聞雑誌で取り上げられている。なかでも朝日新聞の服部蒼外、中外商業新報(現在の日本経済新聞)の外狩素心庵、毎夕新聞の田沢田軒は好意的だった。

大正時代、大雅堂美術店の二階で「美食倶楽部」を興し、それが軌道にのると古陶磁の器だけでは足りなくなり、山代の菁華窯で制作し数窯焼いた。ところが関東大震災によって「大雅堂」と「美食倶楽部」が焼失してしまい、倶楽部会員のためにもせめて料理屋だけはと芝公園で「花の茶屋」を開店させ、のちに星岡茶寮を主導することになる。
器への必然性を、より感じたのだろう、京都の宮永東山や河村蜻山、三浦竹泉窯で青磁や万暦赤絵、染付、刷毛目、三島など、北陸では菁華窯をはじめ、山中の矢口永寿、大聖寺の中村秋塘と金沢の中村梅山窯で染付、呉須赤絵、金襴手、古九谷風、三彩、仁清風、乾山風、楽焼を、さらに瀬戸の加藤五助窯で織部や志野、黄瀬戸などで天賦の才を発揮した。
こうした作品をもとにした「習作展」を星岡茶寮などで数回開催したが、魯山人は自らの窯を持ちたいと望んで鎌倉に星岡窯を築くこととなった。陶磁器を個性的な美へ昇華させる貪欲さを発揮するためである。
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当時、魯山人が所蔵していた鶏龍山作品の一部


この頃、李朝初期に焼かれた粉引や刷毛目、とりわけ鶏龍山の白化粧を最も生かした粉青沙器に傾倒し、京都深草の河村蜻山窯で刷毛目や三島、繪高麗風の作品を焼いていたが、古陶の持つ崇高さに欠けると物足りなさを感じてきた。
それは土や原料の仕業だと確信し、昭和二年九月に発掘調査された鶏龍山へ行くために星岡窯の主要メンバーである荒川豊藏、長男の福田櫻一、そして星岡窯を築いた川島礼一とともに関釜連絡船で朝鮮に渡たり、翌五月一日からの一月間に亘って調査した。
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朝鮮半島の登窯と魯山人


鶏龍山では念願の粘土を探し出し、盛時を偲んで山容怪奇な鶏龍山をスケッチブックに描くなど多くの古窯址を帰国後、すぐさま星岡窯で粉青沙器を見事に成功させた。
魯山人画 「鶏龍山画像小品画展より

これら星岡窯で焼かれた作品を主に世に問うため、『星岡窯魯山人陶磁器展観』と銘打って昭和三年六月に日本橋三越呉服店で開催している。(東京朝日新聞の朝刊) 
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魯山人作 辰砂窯変花入 三越図録より


ここでは染付や色絵の他、信楽の原土で制作した作品、青瓷や辰砂の花入に加えて鶏龍山の土で制作した刷毛目や三島、粉引などの茶陶を展示した。さらに翌年の昭和四年三月二十七日からは『魯山人陶磁器作品展觀』(日本橋三越)で開催されることが二十三日の東京朝日新聞朝刊に告知されている。
偶然、この展示会を観た小林一三はそれらの作品に驚き、
‥‥その溌剌たる個性を大胆に発揮している点に於いて近代作家の何人よりも、自己の強い力を現している点において、その作品一つ一つの取りどころもあるので、三島手、粉引手の茶碗、古唐津の割山椒の向付や染付、御本手の中皿なぞ買った。‥‥と「雅俗山荘漫筆」に『私の魯山人観』を載せている。
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雅俗山荘漫筆


魯山人「大雅堂」・「美食倶楽部」発祥の地
 魯卿あん‥‥Rokeian画像定休日:日曜日・祝日
『魯卿あん』では、小山冨士夫先生などのお茶碗でお薄をお点てしております。

〒104-0031 東京都中央区京橋2-9-9    TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
営業時間:11:00〜18:00
 Email:rokeian-kuroda@jupiter.ocn.ne.jp
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 辻岡正美様 撮影



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