黒田草臣の BLOG 

アクセスカウンタ

zoom RSS 井戸茶碗が焼かれた 熊川陶窯址

<<   作成日時 : 2017/02/04 17:59   >>

ナイス ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

「一井戸茶碗 是れ天下一の高麗茶碗 山上宗二見出して、名物二十、関白様に在り」と、『山上宗二記』に記され、あらゆる茶碗の王座を占めてきた井戸茶碗。

慶尚南道昌原(チャンオン)市鎮海(チネヘ)区‥‥
ここは朝鮮半島の古代には「伽耶」に属し、李氏朝鮮時代には熊川(こもがい)県といわれたところ。
熊川茶碗は、古くは「カカンド」とか「カカント手」ともいわれていることからも、現在の北朝鮮・咸鏡北道で焼かれたと思われる。細かい貫入が琵琶色の上釉に映える。鎮海区の熊川港から出荷されたから熊川茶碗というのであろう。熊川茶碗の特長はやや端反りの口縁、立上りは丸く膨らんだ椀形、見込に鏡、そして多くは土見せの高台で竹節を呈している.朝鮮半島南部で焼かれたと思われる高台まで釉掛けしたものもあり、土も多様だが、熊川港のあった鎮海区付近では焼かれていない。

熊川には十五世紀初めから十六世紀の中頃まで倭館が設置され、多くの日本人が居住していた。
文禄・慶長の役の時、秀吉軍が朝鮮で作った最大規模の倭城址があるが、
その後、日本の統治時代には軍港として着目し、日本軍国旗を象った町が造られた。
さらに日本帝国のシンボルである桜が大量に植えられ、現在では桜の名所となっている。

画像
重ね焼きの高台(熊川陶窯址展示館)


鎮海市熊東面頭洞里〈現在は昌原(チャンオン)市鎮海(チネ)区鎮東面(チントンミョン)熊川(ウンチョン)頭洞里(トドンリ)〉の古窯址からプンチョン(刷毛目や三島)やペクチャ(白磁)などの陶片が発見され、1997年1月、熊川古窯址(第160号)として慶尚南道地方記念物に指定された。
とくに李朝前期に焼かれていたとされる井戸茶碗らしい陶片も発掘されていた。

2000年3月、当時の鎮海市金谷山で山口大学農学部の宇都宮宏氏が数個の井戸茶碗高台部分を採取された。
そして2001年4月月から韓国慶尚南道発展研究院歴史文化センターが調査を開始、
同9月、その発掘調査により、この地が、大井戸茶碗の産地であることが判明した。
2002年に本格的に発掘した結果、6基の古窯址が確認されている。
このことを知り、2009年5月、地元で寶賠山(ポベサン)といわれる頭洞里の古窯址へ向かった。
近くの空き地に車を停めて、徒歩で山を登り始めると通行者をチェックする人がいた。
井戸の陶片が発見されてから、厳しくなったらしい。
獣道を歩くこと15分ほどで目的地に到着。ここが頭洞里古窯址であった。
陶片がところどころに顔をのぞかせていた。

画像
整備する前の頭洞里古窯址(2009年5月撮影)

大井戸茶碗が三島や刷毛目などの粉青沙器の層と同じところから、その上に小井戸や青井戸茶碗などの陶片があり、その上に白磁の陶片の層があったといわれている。

この古窯址から木や竹の根っこが散らばる急斜面を少し降りたところがブルドーザーで掘りおこされ、大きな建物を建てるために整地されはじめていた。

画像画像
熊川陶窯址展示館    展示館内

その後、2011年11月23日、「熊川陶窯跡展示館」として開館した。
場所は慶尚南道昌原市鎮海郡頭洞路236  (月曜日以外は無料観覧できる)

雑木を取り除いた松だけの林の合間から展示館が見える。    古窯址(3,4号)

古窯は東西の傾斜10度から25度、全長24.5m、幅1.3〜1.9m、6.7連房の半地上式登窯などがあったと報告されている。


前回もお伺いしたことのある崔熊鐸氏のお宅へ。
画像
特製の茶筅を振る崔熊鐸氏


画像画像
崔氏が発掘したおびただしい数の陶片    使い込むと枇杷色を呈すかも

崔氏の発掘された古陶片も作品も熊川陶窯跡展示館に展示されていた。

画像
発掘された生焼けの茶碗



画像画像
崔氏作の井戸茶碗2点


古陶片を師に再現を試みる崔氏。しっかりと焼けた枇杷色の井戸茶碗はむずかしいようだ。残念ながらどれも伝世された井戸茶碗独特の気品が感じられない。

画像
崔氏が発掘した井戸釉 小壺




魯山人「大雅堂」・「美食倶楽部」発祥の地
 魯卿あん‥‥Rokeian
〒104-0031 東京都中央区京橋2-9-9    TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
営業時間:11:00〜18:00
 Email:rokeian-kuroda@jupiter.ocn.ne.jp
黒田草臣 BLOGこちら
しぶや黒田陶苑のホームページ戻る


画像
画像
辻岡正美様 撮影



月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
井戸茶碗が焼かれた 熊川陶窯址 黒田草臣の BLOG /BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる