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zoom RSS 三輪和彦‥‥「エル・キャプタン」

<<   作成日時 : 2017/07/31 22:18   >>

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鮮烈な感性に会話が広がる三輪和彦先生の白萩

三輪家の家伝によれば「永正年間(1504〜20)、大和の国三輪の里の住人・源太左衛門を祖先とする」という。
元禄十五年(1700)藩命により京へ上り、楽一入と交流を図って楽焼を習得し、その後、四代休雪も修業のため京都へ上り、高麗茶碗に包み込む和風化を取り入れて三輪家の礎を築いた。
画像不走庵 三輪窯


三輪和彦先生は
「物心ついた頃から十代休雪(休和)の仕事振りを見ていた。昔は家族総出で色々の仕事をやっていた。休和の両の掌の中の土が生命を帯びたモノに変って行く様を思い出す」と言っている。
休和先生は明治期より苦境に立たされていた萩焼を見事に立て直され、古萩にはみられない独特の存在感を示した造形力とともに『白萩』を創始し、茶陶そして鑑賞陶芸としての萩焼の地位を高められた “萩焼中興の祖”であった。
さらにご尊父の十一代休雪(壽雪)先生は、轆轤に頼っていた花入や水指、喰籠などを土の塊から刳貫いて制作された。また「これぞ鬼萩というのをやってみよう」と、萩の荒々しい土を使った「鬼萩茶碗」を圧倒的な存在感で創りあげ、ご兄弟で重要無形文化財(人間国宝)となられている。

三輪和彦先生画像白萩の釉掛け


和彦先生中学一年の夏休み、京橋にあった東京近代美術館で開催されていた「現代国際陶芸展」(1964年)で観たピーター・ヴォーコス(1924– 2002)の白い皿に圧倒されたという。
ヴォーコスはアメリカ現代陶芸の旗手、陶芸の常識を覆すダイナミックな抽象表現を発表し、その新たな造形表現の魅力に引き込まれた日本の工芸作家は多かった。さらに1971年、「現代陶芸展」(竹橋の東京近代美術館)でみたジョン・メイスンの巨大な真紅の直方体など、衝撃的な作品に出合い、アメリカの焼物に興味を覚えて、米国に六年留学してサンフランシスコ・アート・スティテュート彫刻科の陶芸部門で学ばれ、米国の前衛アートに強烈な影響を受けられた。

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三輪和彦 白萩茶碗「エル・キャプタン」 (径14.3 ×13.3p 高13.0p )


帰国して3年後、萩焼とは一線をかくす「DEAD END」を40数トン生土で発表。
初個展の「恒久破壊」では破壊と蘇生をテーマにされた。その後、「Untitled」をはじめ、「変奏曲」、「夢想の地」、「黒の遺構」などという破格の抽象表現で巨大な作品に挑んで、日本陶磁協会賞を受賞するなど大地の土くれと格闘した大胆な造形表現が賞賛されたのである。

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三輪和彦 白萩水指「淵坐」 径27.0cm 高17.0cm



こうした土の持つ特性や可能性を知り尽くした三輪和彦先生の当苑では「白に舞う展」(2000)以来、久々の個展(Exhibition:February 17 to February 21, 2017)を開催した。
三輪休和先生、壽雪先生が名作を生み出した不走庵三輪家…‥‥時を経ても自然と共にあり続けるという不走時流の精神のある伝統の登窯で、感性豊かに創作される和彦先生の会話が広がる茶陶の展観だった。

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三輪和彦 白萩茶碗「エル・キャプタン」 径14.5×13.1cm 高12.6cm


この度のテーマでもある「エル・キャプタン」は刳貫による作品。
「若かりし頃、アメリカ西海岸の空気を吸う時期が有った私は、何度か大自然を求めて車を走らせた。
エル・キャピタン
ヨセミテ国立公園に在る 巨大なその一枚岩は、圧倒的な存在感を放ち、凛として、且つ、包容力に満ち溢れていた。
いつしか それは、自らの制作の基盤となって 私の心の中に居続けている。」と和彦先生は言われる。

カルフォルニアにある国立公園ヨセミテ渓谷から観た世界一といわれる花崗岩でできた一枚岩のエル・キャピタンを観た時の強烈な印象をイメージされた。
そのエル・キャプタンのスケールの大きさも、そして岩壁の風化をも捉えられ、自然界のパワーを存在感ある彫塑的な造形に生かされている。

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三輪和彦 白萩茶碗「淵淵」 径13.5cm 高10.8cm


「淵」とは流れが緩やかで水を深くたたえているところ。「水」を物事の生まれいずる根源として捉えた力強い轆轤に、黒く覗く化粧土に淡雪のような純白な白萩の美しさとのコントラスト。それは柔らかく暖か味のある温和な白萩を追及されてこられた三輪和彦先生の美意識なればこそ、「エル・キャプタン」をはじめ、「淵淵(えんえん)」「寧」「淵坐」「花冠」「天花」‥‥和彦先生の鮮烈な感性を白萩作品に表現された印象的な作品となっている。

画像画像画像
白萩釉つくり




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安南絞り手茶碗画像


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  辻岡正美様の撮影




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