黒田草臣

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zoom RSS コレクターのまなざし…西岡小十

<<   作成日時 : 2018/02/21 18:48   >>

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小さな容のなかに語りつくせないほどの大きな魅力をもっている“ぐい呑”は手のうちでやきものを愛でるのに具合が良いからでしょうか、多くのコレクターに愛されています。

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西岡小十  絵斑唐津ぐい呑  朝鮮唐津徳利


実業家のN氏もこの酒器の魅力にとりつかれ、その厳しい鑑賞力をもって、近現代陶芸家の優れた作品を愛蔵されてこられました。とくに素朴さのなかに豪放な酒器を制作する西岡小十先生に心酔されています。その秀作を集中的にコレクションされたN氏のご厚意で「コレクターのまなざし 小十の酒器」展を開催させていただく運びとなりました。

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西岡小十先生 1987年2月


☆☆☆唐津の古窯址を知り尽くした西岡小十☆☆☆

当苑が唐津焼に力を入れるようになったのは、小山冨士夫先生の進言があったからです。永仁の壺事件以後、文化財保護委員会を退職した先生は1963年、出光美術館の顧問となって美術館の唐津古陶片所蔵の充実をはかりました。同時に陶芸家として再出発されて鎌倉二階堂の自宅に永福窯を築かれ、その後よくお邪魔するようになりました。ある日、小山邸の応接間で石黒宗麿先生との思い出を語られ、さらに唐津の話になり、ご愛蔵の草文の描かれた古陶片などを見せくださいました。
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小十先生の朝鮮唐津や絵斑唐津の陶板

「素朴で野武士のような唐津は日本の窯跡のなかでも最も心引かれるところ」という小山先生の話を夢中で聞いていましたが、私は「古唐津はやきものとしての面白さや魅力を感じますが、現代作家の唐津焼はつまらないものが多いです」とその理由などをお話したことがあった。
「ならば西岡さんの所へ行ってくれよ。長い間、古窯発掘して本気で古唐津を追って、その再現の為に窯を築いたばかりだから」といわれ、すぐに唐津へ行きました。当時の唐津の街は伝統あるやきものの里には程遠く、お土産品を焼く窯元しかありませんでした。佐用姫所縁の衣干山を背にし田園を望見するところに小次郎窯がありました。
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小次郎窯を点検される小十先生            小十窯で     

西岡小十(悟)先生が唐津焼に魅力を感じ作陶するようになった発端は、33歳の時、友人に誘われて初期唐津の名窯「帆柱窯」で見つけた斑唐津の陶片の美しさに心奪われたからです。
その後、54歳で独立開窯するまでの20年近く唐津古窯址200ヶ所を毎日のように発掘調査し、「何か陶片を掘ってこんと喰えんでしょう。楽しみや遊びではなく生きるための発掘でしたよ。陶片を掘って来なくてはお金にならなかったから真剣だった」と数十万点の陶片に触れたといいます。

1971年、小山冨士夫先生の指導で登窯を築窯され、古窯址の発掘経験から土味や釉調にも拘りをみせました。岸岳帆柱や皿や、道納屋などの古窯址付近のざっくりとした粘土を見つけられ、多くの試験焼を経て耐火度のある土で斑唐津や朝鮮唐津を再現され、失敗を繰り返しながら絵斑唐津(1981)も創られた。絵唐津に使う絵筆は筆の上の方を持って描く。器に伝わるリーチが長いので軽やかな筆使いとなり、余白を生かした素朴な絵が描けたようです。
西岡小十画像絵唐津ぐい呑


荒川豊藏先生との交流で包み込む温かみのある造形や沓形も多く手掛けるようになり、牛石で見つけた粘土で作られるようになると梅華皮唐津(1985)を再現された。また藤原啓先生には備前の桟切りの手法を伝授され、「温座」という窯の間仕切りで焼く片身代わりの焼成を茶碗などに応用しました。
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小十宅に掛けられていた藤原啓の書


こうして発掘された陶片を見ながら古窯址でのエピソードや作陶のご苦労などお聞きしたことや、食通の先生と呼子や唐津にご一緒したことや当苑などで個展を開催させていただいたことが懐かしく思い出されます。
「どの会派にも属さず世間の名利私欲とは無縁の陶工となれ」という小山冨士夫先生からの進言で、公募展にも出品せず、唐津焼の面白さを私達に伝えてくれた“無位無冠の陶芸家”でした。
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図録表紙

「コレクターのまなざし‥‥小十の酒器」
2018年2月23日(金) 〜 2018年2月27日(火)
Exhibition : February 23 to February 27, 2018


魯山人「大雅堂」・「美食倶楽部」発祥の地

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『天下松風一碗中』画像西岡小十書

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 辻岡正美様の撮影




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